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【2026年9月公表】健康食品のネット監視で指導された表現一覧|117事業者126商品の実態

2026.09.14

2026年9月4日、消費者庁が令和8年4月〜6月のインターネット監視結果を公表しました。117事業者による126商品の表示について、健康増進法第65条第1項に違反するおそれがあるとして改善指導が行われています。この資料の価値は、実際に指導対象となった効果効能表現が商品区分別に具体的に公表されている点です。行政処分と異なり通常は公表されない「指導の中身」を確認できる、数少ない一次資料です。

広告・EC担当者にとって最も知りたいのは、「具体的にどの言葉がNGとされているのか」ではないでしょうか。本記事では、消費者庁の最新公表資料から、実際に指導を受けた表現を整理し、自社チェックに使える形で解説します。

2026年9月公表データ サマリー

  • 対象期間: 令和8年(2026年)4月〜6月
  • 指導件数: 117事業者・126商品(うちいわゆる健康食品95商品)
  • 根拠法令: 健康増進法第65条第1項(誇大表示の禁止・「何人も」が対象)
  • 主な対象表現: ダイエット、脂肪燃焼、血液サラサラ、免疫力向上、腸内環境を整える、美肌形成、肌のシワ・たるみケア等
  • 令和7年度実績: 指導589事業者→改善589事業者(改善率100%)
  • 公表日: 2026年9月4日(消費者庁)

監視の仕組みと最新結果

どのように監視されているのか

消費者庁のインターネット監視は、一般的な検索エンジンを用いたキーワード検索により商品サイトを抽出し、目視で確認するという方法で実施されています。特別なシステムで自動検知されているというより、消費者が商品を探すのと同じ経路で発見される仕組みです。

つまり、検索でヒットしやすい商品ページほど、監視の対象になりやすい構造といえます。SEOに注力しているECサイトほど、表現の適正化が重要になります。

令和8年4月〜6月の結果

項目結果
監視期間令和8年4月〜6月
改善指導を受けた事業者数117事業者
対象商品数126商品
根拠条文健康増進法第65条第1項(誇大表示の禁止)

過去1年の推移

監視期間指導事業者数指導商品数改善事業者数改善商品数
令和7年4月〜6月139140139140
令和7年7月〜9月142155142155
令和7年10月〜12月152170152170
令和8年1月〜3月156176156176
令和7年度 合計589641589641
令和8年4月〜6月117126

注目すべきは、令和7年度のすべての四半期で、指導件数と改善件数が完全に一致している点です。589事業者に指導が行われ、589事業者すべてが改善しています。

これは「指導を受けたら、事実上すべての事業者が表示を修正している」ことを示しています。指導は法的な命令ではありませんが、受けた側に選択の余地は実質的にないという実態が読み取れます。

なお、令和7年度は四半期ごとに139→142→152→156と増加傾向にありました。

【商品区分別】消費者庁に指導された健康増進法のNG表現一覧

ここが本記事の核心です。消費者庁の公表資料には、指導対象となった「表示されていた健康保持増進効果等」が商品区分別に記載されています。

いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、顆粒状等)【95商品】

指導対象の大半(126商品中95商品)がこの区分です。公表されている表現は次のとおりです。

身体機能・健康状態に関するもの

  • ダイエット、脂肪燃焼、糖と脂肪の吸収を抑える
  • 高血圧予防、血液サラサラ、血流の循環の改善
  • アトピー予防、花粉対策
  • 腸内環境を整える、デトックス効果
  • 免疫力向上、抗酸化作用、アンチエイジング
  • ホルモンバランス調整、不眠改善、ストレス軽減
  • 妊活、口臭予防、身体のめぐりサポート

美容・肌に関するもの

  • 美肌形成、肌のシワ・たるみケア、肌の弾力アップ
  • 肌に潤いを与える、肌荒れ・老化予防
  • 紫外線対策、肌のハリ・ツヤ回復

加工食品(農産加工品等)【23商品】

  • 花粉症対策、アレルギー症状抑制
  • 妊活、血液サラサラ
  • 貧血・冷え性の改善
  • ダイエット、腸内環境改善
  • 美肌・美白効果

飲料等(茶、コーヒー及び飲料水)【5商品】

  • 血行促進、代謝アップ
  • 動脈硬化予防、コレステロール抑制
  • 糖尿病予防、集中力向上

生鮮食品(農産物、水産物)【3商品】

  • 抗酸化作用、疲労回復、冷え
  • 老化防止、肌のシミ・シワの予防

生鮮食品も対象になっている点は見落とされがちです。 農産物・水産物の産地直送サイトなどで、健康効果を訴求している場合も監視対象になります。

NG表現をどう言い換えるか:考え方の方向性

「では、どう書けば安全なのか」が次の疑問になるはずです。ここで前提を明確にしておきます。

以下の例は、行政が「この表現なら問題ない」と認めたものではありません。 後述するとおり、健康増進法・景品表示法の判断は表示全体から個別具体的に行われるため、言い換えた文言単体で可否が決まるわけではありません。あくまで、表現を見直す際の考え方の方向性を示す例として参照してください。

指導対象となった表現考え方の方向性(例)
ダイエット、脂肪燃焼食品自体の痩身効果を示さず、適度な運動や食事管理と組み合わせた生活の中での位置づけとして伝える
血液サラサラ、血流の循環の改善身体の特定の機能に作用することを示さず、日々の食生活における栄養補給の観点で伝える
免疫力向上、高血圧予防疾病の予防や身体機能の改善を示さず、栄養成分の含有や食習慣の一部としての位置づけに留める

言い換えの背後にある2つの原則

個別の文言を暗記するより、次の原則を理解しておくほうが応用が効きます。

原則①:食品自体に効果があると断定しない 「この食品を摂れば〇〇になる」という因果関係の断定が、健康保持増進効果の標ぼうと判断される核心部分です。

原則②:摂取するだけで効果が得られる印象を与えない 消費者庁の留意事項では、届出表示の範囲内であっても、特段の運動や食事制限をすることなく誰でも容易に効果が得られるかのように表示することが問題例として挙げられています。「飲むだけで」「何もしなくても」といった構成は、表現の強弱にかかわらず注意が必要です。

この一覧をどう読むべきか

「使ったら即違反」ではない

重要な前提を確認しておきます。消費者庁の留意事項では、虚偽誇大表示等に関する景品表示法および健康増進法の規定は、いずれも特定の用語・文言等の使用を一律に禁止するものではないとされています。該当するか否かは、表示全体から、表示ごとに個別具体的に判断されるというのが基本的な考え方です。

したがって、上記の一覧は「このワードを使ったら自動的に違反」を意味するものではありません。ただし、これらの効果を期待させる表示として指導された実例があることは事実であり、自社の表現を点検する際の優先チェック項目として活用できます。

機能性表示食品でも油断できない

届出を行っている機能性表示食品であっても、届出表示の範囲を超えた訴求をすれば虚偽誇大表示等に該当するおそれがあります。

消費者庁の留意事項では、届出表示の内容が「肥満気味の方の内臓脂肪を減らすのを助ける機能性がある」であるにもかかわらず、表示全体から、あたかも特段の運動や食事制限をすることなく誰でも容易に腹部の痩身効果が得られるかのように表示することが、問題となる例として挙げられています。

届出をしているから安心ということではなく、届出表示から逸脱していないかという観点でのチェックが必要です。

ショッピングモール出店事業者が注意すべき点

公表資料には、実務上きわめて重要な記載があります。

指導を受けた事業者がショッピングモールに出店している場合、消費者庁は出店先のショッピングモール運営事業者に対しても、指導を行った旨を通知し、表示の適正化について協力を依頼するとされています。

つまり、自社が指導を受けた事実が、出店先のモール運営者にも伝わる仕組みです。モール側の規約や運用によっては、出店継続に影響が及ぶ可能性も否定できません。「行政指導は公表されないから大きな問題にはならない」という認識は、モール出店事業者には当てはまりません。

「何人も」規制であることの意味

健康増進法第65条第1項の条文を確認します。

何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

主語は「何人も」です。景品表示法が「自己の供給する商品」の表示を規律するのに対し、健康増進法は薬機法と同様、広告・表示を行う者を広く対象としています。

したがって、商品を販売していない広告代理店・制作会社・アフィリエイターであっても、規制の対象から外れるわけではありません。なお、この「何人」の解釈については、消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」に整理が示されています。

勧告・命令に至る場合の流れ

指導に従わない場合、次の段階があります。健康増進法第66条により、内閣総理大臣または都道府県知事は、第65条第1項違反の表示をした者に対し、国民の健康の保持増進および正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができます。

さらに、勧告を受けた者が正当な理由なく勧告に係る措置をとらなかった場合には、その措置をとるべきことを命ずることができるとされています。

改善率が100%である背景には、こうした段階的な措置の存在があると考えられます。

自社チェックの進め方

最新データを踏まえ、実務的な優先順位を整理します。

① 指導実例のある表現から点検する

本記事で挙げた表現リストは、実際に指導対象となったものです。自社の商品ページ・LP・広告クリエイティブに同種の表現がないか、まずここから確認するのが効率的です。

② 検索上位ページを優先する

監視は検索エンジンでのキーワード検索により行われています。検索流入の多いページほど発見されやすいため、主要な集客ページから点検するのが合理的です。

③ 商品区分にかかわらず確認する

生鮮食品・加工食品・飲料も指導対象になっています。「サプリメントではないから対象外」という理解は誤りです。食品として販売するもの全般が健康増進法の対象です。

④ 届出表示との整合性を確認する(機能性表示食品)

届出をしている場合は、届出表示の範囲を超えた訴求になっていないかを確認します。とくに「誰でも容易に効果が得られる」かのような印象を与える構成には注意が必要です。

⑤ モール出店ページも同じ基準で点検する

自社ECサイトだけでなく、モール出店ページの商品説明文も同様に対象です。モール運営者への通知という波及があることを踏まえ、優先度を上げて確認すべき領域です。

チェック工数の現実

ここまでの内容を、商品数の多い事業者が人力で徹底するのは容易ではありません。

とくに難しいのは、個別のワードではなく「表示全体からどう受け取られるか」で判断されるという点です。単語のリストと突き合わせるだけでは、表現の組み合わせによって生じる誤認のリスクを拾いきれません。加えて、健康増進法・景品表示法・薬機法(医薬品的効能を謳った場合)の複数の観点を同時に確認する必要があります。

「広告チェックAI」では、テキストや画像を入力するだけで、薬機法・景品表示法・健康増進法をはじめとした各種法令に抵触する可能性のある表現を検知し、代替表現の提案まで行うことができます。商品数の多いECサイトでも、一次チェックを効率化することで、担当者が本当に判断すべき論点に集中できる体制を作れます。自社ルールの追加にも対応しているため、社内基準を組み込んだ運用も可能です。商品ページの点検工数に課題を感じている方は、ぜひ資料請求でサービス内容をご確認ください。

よくある質問

Q. 生鮮食品(野菜や魚)なら健康効果を書くのは自由ですか?

いいえ、対象です。 令和8年4月〜6月の監視でも生鮮食品3商品が改善指導を受けています。健康増進法第65条第1項は「食品として販売に供する物」全般を対象としており、サプリメント形状に限られません。産地直送サイトなどで抗酸化作用や疲労回復を訴求している場合も監視対象になります。

Q. リストにある言葉を使わなければ問題ありませんか?

そうとは言えません。消費者庁の留意事項では、特定の用語・文言を一律に禁止するものではなく、表示全体から個別具体的に判断されるとされています。逆に言えば、リストにない表現であっても、表示全体として健康保持増進効果を期待させる内容であれば問題となり得ます。

Q. 改善指導を受けると企業名が公表されますか?

インターネット監視の公表資料では、事業者名は記載されず、事業者数・商品数と表示されていた効果等の内容が公表されています。ただし、出店しているショッピングモールの運営事業者には、指導を行った旨が通知されます。

Q. 指導に従わなかった場合はどうなりますか?

健康増進法第66条に基づき、勧告が行われる場合があります。さらに勧告に係る措置を正当な理由なくとらなかった場合には、その措置をとるべきことを命じられる可能性があります。

Q. 機能性表示食品として届出していれば対象外ですか?

いいえ。届出表示の範囲を超えた訴求をした場合、虚偽誇大表示等に該当するおそれがあります。届出表示の内容と、広告表現全体から受け取られる印象が乖離していないかを確認する必要があります。

Q. 広告代理店やアフィリエイターも対象になりますか?

健康増進法第65条第1項は「何人も」を規制対象としています。商品を販売していない立場であっても、規制の対象から外れるわけではありません。

まとめ

2026年9月4日公表の最新データから読み取るべきポイントは次の3点です。

  • 令和8年4月〜6月で117事業者126商品が改善指導を受けた。監視は検索エンジン経由の目視確認で行われている
  • 令和7年度は589事業者に指導が行われ、589事業者すべてが改善。指導を受けた場合、修正は事実上避けられない
  • 指導対象となった具体的な表現が公表されている。これは通常公表されない「指導の中身」を知れる貴重な資料であり、自社チェックの優先項目として活用できる

健康食品の広告表現は、個別のワードだけでなく表示全体で判断されます。だからこそ、指導実例のある表現を起点に、自社の表現全体を点検する姿勢が重要です。

出典: 消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和8年4月〜6月)」(2026年9月4日公表)、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」、健康増進法第65条・第66条


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