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【2026年最新】エコ・サステナブル表示の景品表示法リスクとは?環境表示ガイドライン改定を解説

2026.09.03

エコ」「サステナブル」「地球にやさしい」といった環境訴求は、根拠を示さずに使うと景品表示法違反(優良誤認表示)にあたるリスクがあります。2026年3月、環境省「環境表示ガイドライン」が13年ぶりに改定され、「持続可能」という言葉も新たに単独使用NGの例示表現に加わりました。化粧品・健康食品業界のように環境訴求が増えている業種では、今すぐ自社の広告表現を見直す必要があります。

「オーガニック」「無添加」「サステナブルパッケージ」「地球にやさしい」――。化粧品や健康食品の広告・パッケージ・ECサイトで、環境や自然を連想させる言葉を目にする機会が増えています。SDGsやエシカル消費への関心の高まりを背景に、こうした表現は商品の差別化ポイントの一つになりつつあります。

本記事では、広告・マーケティング担当者に向けて、エコ・サステナブル表示に潜む法的リスクと、今すぐ確認すべきチェックポイントを解説します。

エコ・サステナブル表示はなぜ景品表示法の対象になるのか

「グリーンウォッシュ」への監視が国内外で強まっている

実態を伴わない環境訴求は「グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)」と呼ばれます。欧州では根拠のない環境主張を規制する指令が整備され、企業に高額な制裁金が科される事例が出ています。日本国内でも消費者庁が実際に行政処分を行った実例があり(詳細は後述)、「知らなかった」では済まされない状況になりつつあります。

化粧品・健康食品業界は、原料の由来やパッケージ素材について環境配慮をアピールする場面が多い業種です。だからこそ、他業種以上に注意深い表現選びが求められます。

適用される法律は「景品表示法第5条第1号(優良誤認表示)」

日本には、グリーンウォッシュそのものを直接取り締まる法律は存在しません。しかし、環境に関する表示であっても、実際より優れているかのように消費者に誤認させる内容であれば、既存の景品表示法第5条第1号(優良誤認表示)の規制対象となります。

優良誤認表示とは、商品やサービスの品質・内容について、実際のものより著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示のことです。「環境にやさしい」「サステナブル」といった言葉も、根拠を示せなければこの優良誤認にあたる可能性があります。

さらに、消費者庁から表示の裏付けとなる合理的根拠の提出を求められた際、期限内に提出できない場合は、その時点で不当表示とみなされる「不実証広告規制」という仕組みもあります。「なんとなくエコっぽいから」という感覚だけで表現を選ぶことは、大きなリスクを伴います。

2026年3月、環境省「環境表示ガイドライン」が13年ぶりに改定

景品表示法を補完する形で、環境省は「環境表示ガイドライン」を定めています。第三者認証によらず企業が自主的に環境主張を行う際の基準を示すもので、国際規格(ISO/JIS Q14020シリーズ)に準拠しています。

2026年3月、このガイドラインが2008年の策定以来、13年ぶりに改定されました。今回の改定でとくに押さえておきたいポイントは次の3つです。

① あいまいな表現の単独使用は原則NG

改定版では、自己宣言による環境主張に使用を避けるべき表現が、より明確に列挙されました。

  • 使用を避けるべき表現の例
  • 環境に安全
  • 環境にやさしい
  • 地球にやさしい
  • 無公害
  • グリーン
  • 自然にやさしい
  • オゾンにやさしい
  • 持続可能(2026年改定で追加)
  • 〇〇を含まない(特定物質が微量混入レベルを超えない場合を除く)

とくに注目すべきは、「持続可能」という言葉が今回新たにNG表現の例示に加わったことです。「サステナブルな社会の実現に貢献」といった表現も、具体的な取り組み内容や成果を示す説明文を伴わない限り、あいまいな表現とみなされる可能性があります。

なお、これらの表現が一律に禁止されるわけではなく、「単独で使わず、必ず具体的な根拠や説明文を添える」ことが求められている点がポイントです。

② 製品ライフサイクル全体で環境影響を評価すること

改定版では「製品のライフサイクル全体を考慮すること」が基本項目として明確に位置づけられました。原材料調達から製造・使用・廃棄までの一部分だけを切り取って環境配慮を強調することは、トレードオフ(ある環境負荷を減らす一方で別の負荷が増える可能性)を隠す不適切な表示とされる可能性があります。

例えば、パッケージの一部にリサイクル素材を使っただけで「環境に配慮した商品です」と大きく打ち出すようなケースは、誇張表示にあたるおそれがあります。

③ カーボン・オフセットの取り扱いにも言及
改定版では、カーボンフットプリントやカーボン・オフセットに関する主張についても、専門ガイドラインへの準拠を求める記載が追加されました。「オフセットを購入したから排出削減の努力をしなくてよい」という位置づけでの訴求は不適切とされています。

化粧品・健康食品業界でありがちなNGパターン

具体的に、どのような表現が問題になりやすいのでしょうか。代表的なパターンを挙げます。

  • 具体的根拠のない「オーガニック」「無添加」表示:何を「無添加」としているのか(防腐剤なのか香料なのか等)が不明確なまま使用するケース
  • 「天然由来」「植物由来」の強調のみで、配合比率や安全性の説明がないケース
  • パッケージの一部のみ環境配慮素材にもかかわらず、商品全体があたかも環境配慮型であるかのような訴求
  • 独自基準のエコマーク・認証ロゴを、第三者認証であるかのように見せる表示
  • 「サステナブルな美容」「地球にやさしいスキンケア」など、具体的な裏付けを伴わないイメージ訴求の多用

これらは、担当者に悪意がなくても「言葉が独り歩きしている」だけで指摘対象になり得る点に注意が必要です。

実際にあった行政処分の事例

2022年12月、消費者庁は「生分解性」を謳ったプラスチック製品(カトラリー、レジ袋、釣り用品等)を販売していた事業者10社に対し、景品表示法に基づく措置命令を行いました。「土や海中の微生物によって自然に分解される」といった表示に十分な根拠がなかったためです。

さらに2023年10月には、このうち1社に対して課徴金納付命令が出されています。これは国内で初めての、環境配慮表示をめぐる課徴金事例として注目されました。

化粧品・健康食品分野で同種の事例が今後増える可能性は十分にあります。「環境に関する表示だから景表法とは関係ない」という認識は、すでに時代遅れになりつつあります。

広告担当者が今すぐできる対策

環境表示ガイドライン自体に法的な強制力はありませんが、消費者庁は同様の考え方に基づいて行政処分を行った実績があります。ガイドラインに沿わない表示は「グリーンウォッシュ企業」との批判を招くリスクもあるため、早めの見直しが望まれます。

具体的には、以下のような観点でのセルフチェックが有効です。

  • 「エコ」「サステナブル」等の言葉を単独で使っていないか、具体的な説明を添えているか
  • 数値やデータなど、客観的な根拠を示せる状態になっているか
  • 製品の一部分だけの取り組みを、商品・企業全体の特徴であるかのように見せていないか
  • 第三者認証マークと自己宣言表示を混同していないか

とはいえ、こうした観点を一つひとつ人力でチェックするのは、担当者にとって大きな負担です。表現の意図や文脈まで踏まえた判断が必要になるため、キーワードの有無だけでは正確な判定が難しいという課題もあります。

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よくある質問

Q. 「エコ」「サステナブル」という言葉自体が禁止されているのですか?

いいえ、言葉自体が一律禁止されているわけではありません。環境表示ガイドラインでは、これらの表現を単独で使わず、具体的な根拠や説明文を添えることを求めています。何がどのように環境に配慮されているのかを明示できれば、使用は可能です。

Q. 環境表示ガイドラインを守らないと罰則がありますか?

環境表示ガイドライン自体に法的拘束力はありません。ただし、ガイドラインが示す考え方は景品表示法上の優良誤認表示の判断とも重なるため、ガイドラインに沿わない表示を続けた結果、景品表示法違反として措置命令や課徴金納付命令の対象となる可能性があります。

Q. BtoB向けの環境訴求(サステナビリティ報告書など)も対象になりますか?

環境表示ガイドラインは、商品・サービスの表示だけでなく、事業活動や企業姿勢全般についての表示、イメージ広告も適用範囲としています。消費者向けの商品広告に限らず、企業全体のコミュニケーションについても見直しが必要です。

まとめ

2026年3月の環境表示ガイドライン改定により、「エコ」「サステナブル」といった表現への基準はより明確になりました。景品表示法の優良誤認表示は、環境に関する表示であっても例外ではありません。「持続可能」という一般的な言葉すら単独使用がNGとされたことからも分かるように、環境配慮を訴求する際は、具体的な根拠を示す姿勢が今後ますます重要になります。

自社の広告表現が最新の基準に沿っているか、この機会に一度見直してみてはいかがでしょうか。

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