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海外化粧品の薬機法リスクに注意!翻訳する際のポイントを解説 

2025.08.13

近年では韓国コスメを中心に海外ブランドの日本市場への参入が増加傾向にあります。 

海外製品を輸入して日本で販売するためには、製品情報や広告文などを適切な日本語に翻訳する必要がありますが、その際には薬機法のリスクが伴うことをご存じでしょうか。 

この記事では、海外化粧品を例にして、薬機法等の観点から製品情報や広告文を翻訳する際の注意点を解説します。 

海外化粧品の翻訳が難しい理由 

海外化粧品を翻訳する際には薬機法の遵守やその他、医薬品適正広告基準、日本化粧品工業連合会の自主基準、公正競争規約などを守らなければなりません。日本と海外では法律やガイドラインの規制が異なるため、日本で販売する際には日本のルールに合わせて翻訳する必要があります。 

また、日本の化粧品広告では「つるんとした肌に」「サラサラ髪へ」「プルンと弾むハリ肌」など擬態語(オノマトペ)を活用した表現が好まれ、多用される傾向にあります。単に直訳すると魅力的な表現にならず訴求力に欠けるため、薬機法などの法令を遵守しながらも適切な表現を選択して商品をアピールする必要があります。 

 海外化粧品の翻訳で注意したいポイントとは 

では、具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか。 
ここからは海外化粧品で翻訳を行う際のポイントについてお伝えします。 

化粧品の効能効果は56効能の範囲内で翻訳すること 

海外で使用可能な訴求表現が日本では認められないというケースは少なくありません。日本では化粧品の効能効果は定められた56効能の範囲内で表現する必要があり、その範囲を逸脱しているにもかかわらずそのまま翻訳して商品の広告に使用すると、薬機法違反となります。 

翻訳する際には、違反表示は適宜変更して日本で認められる表現に整えましょう。 

よく見かける具体的な翻訳のNG例と、適切な言い換え表現の例は以下のとおりです。 

翻訳のNG例適切な言い換えの例
ニキビを改善する 肌荒れを防ぐ、肌を健やかに保つ 
抗酸化作用がある 肌を保護する、うるおいに満ちた若々しい肌へ導く 
毛穴がなくなる 肌を引き締める、つるんとした肌へ導く 
バリア機能を回復させる 肌を保護する、水分を補って肌バリアをサポート 
コラーゲン産生を促進する 肌にハリを与える、プルンと弾むハリ肌へ導く 

配合成分は定められた日本語の成分名で記載すること 

配合成分も日本語で記載しますが、元の表示を単純に翻訳すれば良いというわけではありません。具体的な手順としては、海外製品のラベルに記載されている成分の国際表記(INCI名)に合わせて、日本化粧品工業連合会が定めた日本語の成分名を記載する必要があります。 

(参考)日本化粧品工業連合会 全成分表示名称作成業務 

特定成分を特記表示する時は配合目的を併記すること 

配合成分の中でとくに訴求したい成分を抜き出して表示することを特記表示といいます。日本では、化粧品で特記表示を行う際には「○○〇(△△として配合)」というように、配合目的を併記することが定められています。なお、配合目的は化粧品で訴求できる56効能効果の範囲内であることも大切です。 

【OK例】 
・「コラーゲン(保湿成分)」 
・「肌にハリと潤いを与えるヒアルロン酸を贅沢に配合」 

【NG例】 
・「プラセンタを贅沢に配合」:配合目的が無いため不可。 
・「美白成分アルブチン」:美白は化粧品の効能効果を超えるため不可。 

海外化粧品では、特記表示の配合目的が併記されていなかったり、化粧品の効能を逸脱した形で特記表示が行われていたりすることがあるため、翻訳時に適宜追記や表現変更を行う必要があります。 

また特記表示のルールは2025年3月に規制が強化されています。さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もご確認ください。 

▶関連記事:【重要】化粧品成分の特記表示ルールが40年ぶりに刷新!広告・薬事担当者に求められる対応とは  

販売名のルールを守ること 

輸入化粧品を販売するために管轄行政へ提出が必要となる「化粧品製造販売届書」には、適切な販売名の記載が求められます。販売名に、既存の医薬品・医薬部外品と同一または紛らわしい名称、虚偽・誇大な名称、特定成分の名称、剤形と異なる名称などをつけることは不適切とされます。 

【NG例】 
・「ニキビナオール」:医薬品と紛らわしい名称、虚偽・誇大な名称は不可。 
・「オールインワンビタミンCジェル」:特定の成分名を入れることは不可。 
・「ビューティー水」(パック製品):剤形と異なる名称は不可。 

またローマ字のみの名称は認められないこと、アルファベット・数字・記号等はできる限り少なくする必要があることから、輸入化粧品の販売名を決める際には、元の名称から適切な日本語へ翻訳または変換して名付ける必要があります。 

(参考) 
e-GOV 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 
厚生労働省 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について 
日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン 
化粧品公正取引協議会 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 

広告担当者の負担を減らす広告チェックAIとは  

Archaicの広告チェックAIは、AI技術を活用し、海外化粧品の表示を翻訳した広告文について、日本の薬機法や景表法を遵守した表現となっているかを確認するサポートを行います。また、表現が違反している場合には適切な言い換え表現の例をご提案することもできます。 
広告チェックAIについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もお読みください。 

▶関連記事:広告チェックAIとは?導入で得られるメリットや使い方を解説  

薬機法リスク管理を強化し、海外化粧品の翻訳表現に注意しよう! 

海外化粧品の製品情報や広告文の翻訳には、化粧品業界の専門知識だけでなく薬機法などの関連法規の知識や適切な表現力が求められることが分かります。 

AIの技術を活用することで、広告担当者の負担を減らしながら薬機法リスクも抑えることができるでしょう。海外化粧品の流通・販売の業務効率化をご検討されている方はぜひご相談ください。   

この記事の監修者
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監修者
藤原智沙恵

役職
薬剤師、薬機法医療法広告遵守個人認証取得。

医療・ヘルスケア分野のライティングや、薬機法に係る広告制作に多数実績をもつ。 

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AIを搭載した広告表現チェックツールにURLや画像を入力するだけで、
法令 (薬機法、景表法など) に抵触しているかどうかを瞬時に確認し、
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