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「景品表示法の最新改正動向と広告への影響とは?」 

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担当: 藤原智沙恵

2025.05.16

2024年10月1日、改正景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)が施行されました。今回の改正は、事業者の自主的な取り組みを促し、違反を防ぐことを目的としています。 

広告担当者や代理店は、どのような点に注意し、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?この記事では、改正のポイントを整理し、具体的な対応策を分かりやすく解説します。 

2024年10月1日施行の改正景品表示法のポイント3つ 

改正景品表示法で特にチェックしたいポイントは以下の3点です。 

  • 確約手続の導入 
  • 課徴金制度の見直し 
  • 直罰規定の導入 

ここではそれぞれのポイントについて解説します。 

①確約手続の導入 

確約手続きとは、景品表示法違反の可能性がある行為に対し、企業が自発的な取り組みで再発防止策を提出・実施することで、措置命令や課徴金納付命令を避けられる制度です。 

<確約手続きの流れ> 

図 1, 画像出典:【令和6年10月1日施行】改正景品表示法の概要 

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/movie_explanation/assets/representation_cms216_240917_02.pdf

確約計画の認定には、以下2つの基準を満たす必要があります。 

  1. 違反と疑われる行為を適切に修正するための措置が、適切かつ十分なものであること(措置内容の十分性) 
  1. 確実に実施されると見込まれるものであること(措置実施の確実性) 

確約計画が認定されると、その概要や企業名などが公表されます。 

公表する目的は、確約手続の透明性を確保し、事業者が事前に適切な対策を立てられるようにすることです。 

その際には「景品表示法の規定に違反することを認定したものではない」ことが記載されます。 

しかし、事業者が申請を取り下げたり申請が却下されたりした場合は、公表されずに通常の調査が再開します。 

確約手続きの対象外となるのは以下の2点です。 

  1. 過去10年間に措置命令・課徴金納付命令を受けている(確定している)場合 
  1. 故意に根拠がない表示を行なっているなど悪質かつ重大な違反被疑行為の場合 

②課徴金制度の見直し 

課徴金制度は主に以下3つのポイントが改正されました。 

  1. 売上額が明確に把握できない場合でも推計によって計算できる 
  1. 過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者は、課徴金額が1.5倍になる 
  1. 消費者への返金は、電子マネーでも対応可能になる 

課徴金の引き上げは、景品表示法違反による行政処分を受けながらも、違反を繰り返す事業者への抑止が目的です。 

③直罰規定の導入 

これまでは措置命令・課徴⾦納付命令だけでしたが、今回の改正から悪質な優良誤認表示・有利誤認表示に対し、直罰(100万円以下の罰金)が新設されました。 

(参考) 

消費者庁表示対策課 【令和6年10月1日施行】改正景品表示法の概要 

【令和6年10月1日施行】改正景品表示法の概要 

2023年 景品表示法改正の概要  

・消費者庁確約手続に関する運用基準 

初の確約手続き適用事例 

確約手続きの初の適用事例として、ジムを運営するA社の事例をご紹介します。 

A社では、指定の期限までに無料体験を受け入会した場合は、入会金を割引くとしていたにもかかわらず、実際は期限を過ぎても割引をしていた疑いがありました。 

この件について消費者庁より確約手続に係る通知を実施し、A社から確約計画の認定の申請があっため令和7年2月26日に確約手続き制度を適用しました。 

これは改正法導入後初めての事例となります。 

広告制作への影響 

今回の規制強化により、広告での表現はこれまで以上に慎重になる必要があります。 

そのため制作の現場では、チェック体制の強化やマニュアルの見直しなどを行なうことが急務になるでしょう。 

特に違反の多い「No.1」や「最安値」といった表現は、根拠を明確にしてエビデンスを添付するなど、注意しなければなりません。 

また広告制作の担当者だけではなく、社内全体で知識をアップデートしコンプライアンスに対する意識を高めることも大切です。 

さらに万が一違反した場合に備え、確約手続きについて確認しておくと、いざという時に慌てずに済みます。 

販売戦略の変更点 

今後はLPからカートまで販売プロセス全体において、消費者に誤解を与える表現をしないことが大切です。 

特に初回購入のハードルを下げるために使われる「初回無料」や「初回○○円」などの表現は、定期購入で継続購入が条件となる場合にトラブルが多発しています。 

リスク回避のためにも、こういった初回のハードルを下げる戦略から別の戦略に変える必要があるでしょう。 

今後の規制強化予測 

今後は、専門的な知見を有する民間グループとの協力でより積極的に規制をしていくことが予測されるでしょう。 

実際に東京都では、令和5年に不当なインターネット広告に対応するための「東京デジタルCATS」と呼ばれる助言チームを導入し、監視の目を強化しています。 

また今回の改正景品表示法でも、適格消費者団体による開示要請規定などが導入されています。 

(参考) 

不当なインターネット広告への対応力を強化します!- 「東京デジタルCATS」 – 

【令和6年10月1日施行】改正景品表示法の概要(P21) 

景品表示法の最新改正動向まとめ 

今回の改正では「確約手続の導入・課徴金制度の見直し・直罰規定の導入」の3点が大きなポイントになりました。日頃から適切な広告表現を意識し、最新の法改正情報をチェックしていきましょう。社内で対応が難しい場合は、外部の専門家やAIの活用も検討してみてください。 

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広告チェックAIについて

この記事の監修者
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監修者
藤原智沙恵

薬剤師、薬機法医療法広告遵守個人認証取得。
医療・ヘルスケア分野のライティング、広告チェックに多数実績をもつ。
広告チェックAIの監修にも携わっている。

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