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通信販売業者が特商法違反を防ぐには?最新の違反事例から見る対策を解説!

近年、通信販売業者に対する特定商取引法違反の行政処分が増えています。2024年12月に続き2025年3月13日にも、消費者庁から通販業者に対して業務停止命令が出されました。
この記事では、実際にあった特商法違反の事例をもとに、その内容や通信販売業者がとるべき対策について解説します。
実際にあった通信販売業者の特定商取引法違反事例
インターネット通販市場の拡大に伴い、消費者トラブルも増えているため、通信販売業者への消費者庁などによる監視の目は年々厳しくなっているのが現状です。
とくに「特定商取引法」に違反する事例は後を絶たず、業務停止命令や業務改善指示などの罰則を受けるケースもめずらしくありません。
特商法は消費者保護の観点から、通信販売における表示義務や誤認表示防止のルールを定めた法律です。
違反すれば、販売自体ができなくなるリスクもあるため、事業者は細心の注意をはらう必要があります。
ここからは2025年3月13日に、京都府のダイエット食品などを通信販売する通信販売業者A社に対して、消費者庁によって業務停止命令が出された事例を紹介します。
景品表示法ではなく特商法違反となった誇大広告と表示違反の内容
近年は景品表示法ではなく、特商法違反として行政処分を受ける事例が増えています。
誇大広告だけであれば景表法違反に該当しますが、最終確認画面などの表示違反も合わせて特商法違反として指摘されるのです。
A社も特商法違反として、通信販売の商品について以下の広告表現や契約手続きに対しての違反が指摘され、半年間の業務停止処分が下されました。
具体的な違反内容は以下のとおりです。
違反の内容 | 該当する特商法 |
---|---|
商品の効能について誇大な広告をした 合理的な根拠を提出できなかった | 第12条の2 |
定期購入の最終確認欄で初回引渡し時期を 表示しなかった | 第12条の6第1項 |
売買契約解除で実際の金額と異なる表示の 誤認表示をしていた | 第12条の6第2項 |
参考:消費者庁「特定商取引法違反の通信販売業者に対する業務停止命令(6か月)及び指示並びに当該業者の代表取締役に対する業務禁止命令(6か月)について」
行政処分を受けるダメージ
今回の事例では、半年間の業務停止命令が下されました。
業務停止命令は、その間対象商品の販売ができなくなるため、大きなダメージとなります。
また業者名や代表者の氏名なども公表されるため、単に売上が減るだけでなく、企業としての信用を失墜したり提携先から契約を解除されたりする可能性も考えられます。
事業者の代表者にも業務禁止命令が出る可能性
今回の事例では、A社の代表者に対しても業務禁止命令が出されました。
これにより代表者個人も、半年間は同様の業務にかかわれなくなります。6か月間は新たな通販事業を開始したり、別の通販会社の役員となったりすることもできません。
業務禁止命令を受けたからといって、新会社を立ち上げて同じような業務をすることは許されません。
法を順守しなければ、会社のみならず経営者個人も社会的な信用を失ってしまいます。
特商法違反とならないために通販業者がやるべき対策
ここからは特商法違反とならないために、通販業者がとるべき対策を紹介します。
広告のNG表現をしない
特商法では、誇大広告や著しく事実と違う内容の表示は禁止されています。
通販にかぎりませんが、広告には禁止されている表現があるため、それらのNG表現をしてはいけません。
A社の事例では、以下のような数々のNG表現がなされていました。
- 脂肪吸引級の体重激減ができる
- コレさえ飲めば1週間で-10kgは確実
- 糖代謝向上で-10kgが誰でも簡単に達成できた
- どれだけ食べても太らない体が手に入る
- 半永久的に 『奇跡の体質』『最強の体型』 を手に入れられる など
広告は多数の方の目に触れるため、じつは一般通報によって処分につながるケースも多々あります。
「これぐらいならいいだろう」「他所もやっているから大丈夫」と考えるのは危険です。
近年消費者庁による行政処分が増えているのは、誇大広告などを認めないといった強い姿勢のあらわれともいえます。
広告のNG表現はしないように徹底しましょう。
参考:消費者庁「景品表示法に関する情報提供・相談の受付窓口」
内部リンク:メーカー担当者必見!自社製品広告の誇大表示を防ぐには?
効果を謳う場合は科学的根拠を示す
商品の効果を謳う場合には、その科学的根拠を提示できる状態にしておく必要があります。
A社の事例では、消費者庁からA社に対して、該当する表示の裏付けとなる合理的な根拠の提示が求められました。
しかしA社はこれを提出できなかったため、優良誤認の誇大広告にあたると判断されたのです。
特商法違反とならないためには、根拠が出せない効果は表示しないとこが大切です。
最終確認画面の表記を明確に記載する
通販業者は最終確認画面に、契約条件を明確に記載しなければなりません。
これは2022年の法改正により義務化されたものです。
A社の場合には最終確認画面において、定期購入の条件や解約手数料などの説明が明確に記載されていませんでした。
明記しなければならない内容は下表のとおりです。
項目 | 明記する内容 |
---|---|
分量 | 数量、回数、期間 など 定期購入契約の場合:各回の分量、総分量 |
販売価格/対価 | 複数商品を購入:支払総額 定期購入契約:2回目以降の代金 |
支払の時期/方法 | 定期購入契約:各回の代金請求時期 |
引渡/提供時期 | 定期購入契約:各回の商品発送時期 |
申込みの撤回、解除に関すること | 返品や解約の条件、方法、効果 など 解約申出に期間がある場合:申出期限 |
申込期間(期限のある場合) | 季節商品のほか、期間限定販売を行う場合:その申込期間 |
なお表記の形態や記載方法については省略できるものもあるため、記載する際には条件などをしっかりと確認しましょう。
参考:消費者庁「ネット通販での購入時には、最終確認画面のスクリーンショットを保存しましょう !」
専門家やツールでリーガルチェックを強化する
近年A社以外でも立て続けに、同じような内容で行政処分が出ているため、通販業者は十分な注意が必要です。
事業者自身が知識を得ることも大切ですが、日々の業務に追われて細部にわたり網羅するのはなかなか難しいでしょう。
法律の専門家や、NG表現をチェックしてくれるAIツールなどを活用してリーガルチェックを強化することにより、違反表現を防ぐことができます。
内部リンク:広告チェックAIとは?導入で得られるメリット
通販やインターネット販売業者は特商法への適切な対応を
今回の事例だけでなく、2024年10月以降立て続けに通信販売における誇大広告や表示義務違反など同じような内容で行政処分が出されています。
特商法違反とならないよう、通信販売を行う業者は、表記を念入りにチェックしましょう。
AIを搭載した広告表現チェックツールにURLや画像を入力するだけで、
法令
(薬機法、景表法など)
に抵触しているかどうかを瞬時に確認し、
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